古い障子紙をはがす
古い障子紙をはがすのには、はがし剤などを使い、ノリバケでノリの部分を湿します。一枚を湿し終わったら、次の一枚に移りますが、これが終わったところで、最初の一枚目の障子のノリのゆるみ具合を確かめて下さい。桟のないところの紙は透き通るようになっていますが、ノリの部分がこれと同じようになっていれば、完全にノリはゆるんでいます。まだ白い色をしているのなら、ノリは溶けていないわけですから、さらにノリバケで湿します。
ノリが完全にゆるんだなら、端を少しはがし、ゆっくりとはがしていきます。はがし終わったなら、ぞうきんで障子の桟に残ったノリをよくふきとり、日に当てないように、風通しのいいところで乾かします。このようにすれば障子は狂いません。
一枚ばりの障子紙
最近では障子の桟の間隔(小間寸法)が次第に大きくなる傾向がありますし、変形寸法のものもでてきました。そこで一枚の障子を一枚の紙ではってしまうという、一枚ばりの障子紙というのが主流となってきました。これなら小間寸法を気にすることもないわけです。
1.一枚ばりの障子紙のはり方
まず紙を障子に当てて少し広げ、紙が曲がっていかないように、きちんとあわせてみます。端をセロハンテープなどで固定し、元のように巻きとってから、周囲のかまちや桟(骨)などにノリをつけます。この時、専用の容器に入ったノリを使うと桟へのノリ付けがとても簡単でしかもノリがはみ出すこともないのでたいへん便利です。
一枚ばりの障子紙はノリをつけ忘れたところがあると、あとでノリをつけることができませんから、ノリをつけるときは、よく注意して下さい。
2.障子紙を広げる
紙を障子の上にのせ、矢印のようにころがしながらはっていきます。
ノリの部分を指で軽くなぜて、紙を密着させるのは、ふつうの障子紙と同じです。
最後に余分の紙を切りとるのですが、障子には、手で探ってみると、少し低くなっている紙じゃくりがあるのですが、
ここで切ることになります。定規を当てて、紙が破れないように、カッターをなるべく寝かせて切ります。
なお、紙じゃくりがない場合は、6~7mmのところで切ります。霧を吹く場合はノリが乾いてからにしてください。
アイロンではる障子紙
一枚ばりでもノリを使わず、アイロンではる障子紙というものもあります。アイロンふすまと同じように特殊なノリが塗ってあります。
アイロンではる障子紙はメ一カ一によってはり方やはがし方が異なりますので、はる時は説明書をよく読んでその指示に従ってください。ここではその中の一つを例にとり、はり方を説明します。
紙を障子にのせ、曲がらないように注意してあわせ、まずA、B、Cの部分に、アイロンの先を当てて固定します。一枚ばりの要領で少し引っぱり気味にしながらころがし、障子にあわせて、A'、B'、C'の線で紙を粗切りにして下さい。少し紙を引っぱりながら、A'、B'、C'の順にアイロンの先端で仮どめします。紙にしわが寄ったり、たるみが出たら、とめたところにアイロンをあて、紙を引っぱるとすぐとれますから、なおしてもう一度とめます。次に、中心から周囲に向って桟全体にアイロンをあて接着します。紙じゃくり(ワクにある段差の部分)はアイロンの角できめこむように接着してください。最後に定規をあて余分な紙を切り取ってください。余分な紙の部分は、アイロンをあてながらはがしていきます。また、この部分に、最初からマスキングテープをはっておくのもよいでしょう。