通常、売られているふすま紙はノリつきで「水だけではれるノリつきふすま紙」と表示してありますが、最近では「アイロンではれるふすま紙」というのも多く見かけるようになってきました。
このふすま紙の裏には、熱を加えると溶けてくっつく特殊な接着剤が塗ってあります。本来は戸ぶすまのように、ワクがはずれないふすまのために考えられたもののようですが、ワクのはずれないふすまは、ますます増える傾向にありますし、ワクがはずれるものでも、はずさずにはれるわけですから大変便利です。
現在売られているアイロンではるふすま紙は、メー力ーによりはり方等が異っていますので、はる時は説明書をよく読んでその指示に従ってください。なお、ここではその中の1つを例にとり、はり方を説明します。

はりかえるふすまの引手金具をはずす

1.まず、はりかえるふすまの引手金具をはずします。現在はられているふすま紙に大きなシワなどがなければ、はがさずにその上にはります。ただし破れている所は、茶ちりや大穴補修紙等で補修をしておきます。

ふすまの枠の外側で裁断

2.水平に置いたふすまの上にアイロンはりふすま紙を置き、はる位置を決めたあとふすまの枠の外側で裁断します。

マスキングテープを貼る

3.ワクには、ふすま紙が接着しないように、マスキングテープをはっておくとよいでしょう。スチームアイロンを高温にセットして、充分に熱してからはり始めます。
ふすまの位置がずれないように、まずアイロンを十字にあてます(図1の(1)、(2)、(3)の順に)。アイロンは力を入れずゆっくり移動させます。この時、アイロンは先が前に進むように使い、逆方向に使用しないでください。
また、方向を変える時は、必ず一度アイロンを持ち上げてください。
アイロンのかかっていない部分を図2のABCDのブロックごとに中央から上下のワクに向ってアイロンをあてていきます。最後に図3のようにワクに沿って周囲のみアイロンをあてたあと、アイロンの角を使って周囲をきめ込みます。

ふすま紙

4.次に定規をあてながら余分な紙をカッターナイフで切り取ります。この時、定規を移動する際にカッターナイフもふすまから離してしまうと、切り口がズレて見苦しくなるので、カッターナイフはふすまから離さず定規のみを移動するように心掛けてください。
なお、板ぶすまの場合はカッターの刃を枠に向けて切るようにします。

5.余分な紙をすべて切り取ったら、引手部分にカッターで切り込みを入れ、引手金具をとりつけます。