住まいに欠かせない断熱材
省エネという声が高くなってから、しきりに断熱材という言葉を聞くようになりましたが、それではいったい、断熱材とはどのようなものなのでしょう。
断熱材というのは、文字通り熱を通さないでしゃ断してしまう材料という意味だとまず考えてください。図のように、冬室内を暖房しても、天井から屋根へ、壁から、窓からと熱はどんどん逃げてしまうのです。断熱材の入れられるところは、天井裏、床、壁などですが、ここから全体の73%もの熱が逃げているのですから、断熱材によってこれを逃がさないようにすることが、暖房費の節約になることは容易にわかるでしょう。
実際にどの程度の節約ができるかを示したのが、ここにあげたグラフです。断熱材が入っていないときに、逃げて損失する熱量は合計で1時間当たり約 8,900cal、それに対して50mmの断熱材を天井、壁、床に入れた場合は、約3,900calの損失ですむというわけです。寒さの厳しい地方では、 断熱材はぜひ入れておきたいものです。
結露防止の効果もあります
冬の夜、ストーブをつけているとき、カーテンを開けてみると、ガラスに水滴がいっぱいついているということをよく経験します。これは外気によってガラスが冷やされている、別のいい方をすれば室内の熱がガラスを通して逃げているという証拠なのです。
灯油のストーブも、ガスのストーブも燃焼すると水蒸気を発生し、しめきっている室内は湿度もかなりあります。こうして湿気を含んだ暖かい空気が、冷えたガラスに触れて温度が下がると、湿度を保つことができなくなり、ガラス面に水滴となる、いわゆる結露という現象が起こるわけです。
この現象はガラスだけでなく、壁や天井でも起こり、力ビやしみの原因になります。断熱材を使用すると、天井や壁の表面温度と室内の温度差が小さくなるため、結露を防ぎ、湿気をよばない快適な住まいになります。
断熱材の種類と用途
ところで、一口に断熱材といってもいろいろな種類があります。主なものを次にあげましたので、それぞれの特徴をよく理解し、選ぶときの参考にしてください。
- グラスウール断熱材
ガラスの短繊維で、マット状になっています。黄色いフワフワした、綿菓子のような繊維で、建築現場などでよく見かけるものです。注意点としては、地域や住宅の構造によって効果のある厚みが違うことです。北海道などは100mm、温暖な地方では50mm以上がよいとされています。 - ロックウール断熱材
岩石を溶かして綿状にしたものを防水紙で包んだものです。 - 発泡プラスチック断熱材
プラスチックを発泡させて、板状に成型したもので、よく知られている発泡スチロールもこれです。類似なものに硬質ウレ夕ンフォームなどがあります。吸水性がないことが優れており押入れの壁に貼ると結露防止に大変効果的です。
断熱材とD.I.Y
今建っている家に断熱材を入れるとしたら、はたしてどの断熱材を、どのような場所に入れることが可能かを示したのが次の表です。 参考にしながら、わが家の省工ネ対策を考えてみましよう。
断熱材の種類/使い途 | 今から入れられるか | 内装材として使えるか | ||
---|---|---|---|---|
床 | 壁 | 天井 | ||
グラスウール | ○ | × | ○ | × |
ロックウール | ○ | × | ○ | × |
発泡プラスチック | ○ | × | × | ○(押入れの壁など) |
内部結露に注意
室内側の水蒸気が壁のすき間や壁自体を通して壁の内部に入り込み、そこで結露するという現象です。暖房をした場合、室内の空気は多量の水蒸気を含んでお り、戸外と室内にかなり大きな水蒸気量の落差が生じ、室内から戸外へ流れ出ようとします。断熱材を使用しない場合は、室内温度と内装壁の表面温度との差が 大きかったために、結露は壁の表面で発生していました。断熱材を使用することによって、表面の結露を防ぐことはできます。しかし、室内の水蒸気は小さなすき間や防湿性のない壁材を通りぬけ、壁材内部の低温部で結露します。
内部結露が発生すると目に見えないところだけに始末が悪く、柱や土台などの構造材を腐らせ、建物の寿命を縮めることになります。
内部結露防止のポイント
- 内壁材の内側に防湿シートを使用。
- 断熱材のムラ、すき間をなくす。
- 室内、屋根裏、床下の換気を十分にする。
以上の点に注意することが大切です。